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ハトノユメ

自作小説ブログ

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飛翔 (2)

「どうやってここまできたの」

バーディが訊ねてくる。

「途中で偶然仲間と会ったんだ。その人に助けてもらって」

「そうだったの」

「くわしいことはあとでおちついてから話すよ。とりあえず何か飲みたいな。すごくのどが渇いた」

アルバトロスの言葉に、バーディは満面の笑顔になる。

「そう言うだろうと思って、レモン水を作っておいたよ」

「バーディが作ってくれたの」

「うん。ここにはなかったから。レシピを知らないんで勘で作ったから、口に合うかはわからないけど」

バーディは部屋の隅に置かれた冷蔵庫のほうへかけていく。そこから瓶をとると、棚からコップをだして注いだ。

手近の小机にコップをおくと、「さあ、どうぞ」とアルバトロスにすすめてくれた。

「いただきます」

心配そうなバーディの視線をうけながら、一口のんでみる。

さわやかなレモンの香りと、甘酸っぱい味が広がる。

「どう」

「うん、おいしい」

辺境の基地に勤務していた時、よく通っていた喫茶店で飲んだレモン水に似ていると思った。なつかしい味だった。

アルバトロスの反応に、バーディは「よかった」と言って笑った。アルバトロスはさらにごくごくと飲んで、おかわりをもらった。

「ねえ、レモン以外に何をいれたの?」

二杯目を飲みながらバーディに訊ねる。バーディは棚からだしてきたクッキーをほおばりながら、

「ハチミツを入れたよ」

と答えた。

「そうか、ハチミツか」

アルバトロスは、あの忘れがたい店のことをふと考えた。今回の任務が終わったら、思い切って休暇を取って訪ねてみるのもいいかもしれない。

店主からの問いには、まだ答えはでていないけれど。なぜ戦うのかという、あの問いには。


アルバトロスはゆっくりと、二杯目のレモン水を飲み終えた。


(つづきへ→)



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