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ハトノユメ

自作小説ブログ

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邂逅 (3)

斜面のわずかな突起をたよりに谷底へ下り、そこからトンネルの内部へと足を踏み入れた。

中はぽつり、ぽつりと非常灯がついてはいるが、かなり暗い。ひげ男が持っていた小型の携帯灯で足元を照らして進んだ。

がり、がりと敷き詰められた砂利を踏みしめる足音が響く。しばらく無言で歩き続けると、幅がやや広くなったところに機器が積み上げられている場所があった。が、ひげ男は「ここじゃあない」と言ってさらに進んでいく。

同じような場所をもうひとつ通り過ぎ、さらに進んだところでたどり着いた幅広の地点で、ひげ男は「ここだ」と言って足を止めた。

「少し先にこの路線で唯一の大きな急カーブがあってな。列車のスピードがかなりゆるむから飛び乗ることができるってわけだ。ほかの場所じゃ速すぎて無理だな」

「なるほど」

素直に感心するアルバトロスを見て、ひげ男は目を細めた。

「さて、列車がくるまで待つとするか」


------


しばしの沈黙ののち、アルバトロスは気になっていたことを聞いてみることにした。

「あの、あなたはコンドルという人とかなり親しいのですか」

横に座っているひげ男のほうをちらっと見る。男はアルバトロスをやさしい目で見おろしていた。

「同期だから多少知ってるってだけだな。どうしてそんなことを聞く?」

「コンドルという人が今どこにいるか、あなたはご存じなのでは?」

その問いにひげ男は答えなかった。代わりに「会ってみたいのかい」と問うてくる。

「はい、聞いてみたいことがあるんです」

「あいつにパイロットとしての話を聞こうとしても無駄だと思うぞ。引退してからはパイロット時代のことは一切語らないらしいからな」

ひげ男はアルバトロスを諭すように言う。

アルバトロスは少し考えてから、「迷っているんです」とつぶやいた。

「何を迷ってるんだい」

ひげ男はアルバトロスの肩にそっと手をおき、静かに訊ねてくる。その気配は、なぜだか不思議と安心できた。

「飛びつづけるべきかどうかを」


このところずっと心にあった迷いを、アルバトロスは口にした。


(つづきへ→)



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■ コメント

Re: タイトルなし

<<れもん様

ご訪問ありがとうございます^^

ひげ男はなんと答えるのか……
満足いただける展開になっているか心配ではありますが、つづきをUPしました。


「チョウの舞う場所で」も、お時間ありましたらぜひ読んでみてください^^

続き待ってましたよ~

アルバトロスの迷いにひげ男はどうこたえるんでしょうか!?
それが気になってしょうがないです~

というか、今度訪問させていただいたときは、「チョウの舞う場所で」の方も読ませていただきますね♪

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