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ハトノユメ

自作小説ブログ

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僚機 (2)

イーグルは、切れ味鋭い飛び方をする。

力強く加速し、ぐんぐん高度をかせいでゆく。空に放たれた刃物のように、空を切り裂いて飛んでゆく。

イーグルの腕前が、今の基地に移ってからこれまでの任務で組んだほかのどの乗り手とも比べようのないくらい抜きんでているということは、飛び立ってすぐに納得した。

スピード感がまるでちがう。

アルバトロスは、イーグルの機体のうしろに、やや距離をとってついていった。

下には山岳が広がっている。一面の緑の上を、飛び続ける。

今日の任務はイーグルがリーダーだ。今の基地での経験や実績を考えれば当然の役割分担。アルバトロスはイーグルを補佐することを第一の任務とする。

まもなく目的のポイントに到着した。そこにあるのは古びた工場群だった。敵の軍事施設だったが、さきの戦争で爆撃され撤退し、その後は稼働していないといわれていたらしい。

それが最近になってまた使われはじめたとの情報が入り、今回の偵察任務が行われることになった。

このあたりは国境ちかくの領有権があいまいな場所である。戦争の度に所属する国を変えてきたようなところで、今は領有を主張する国の間で決着がつかず、中立地帯となっている。そこで敵国が軍事施設を稼働させ始めたとなれば、見過ごすことはできないということなのだろう。


末端の飛行機乗りであるアルバトロスには、上層部の考えはわからない。

深く知ろうとも思わない。

そういった駆け引きは、自分とは次元の違う世界の出来事だ。飛ぶことが、自分の仕事。そう思ってずっとやってきた。


あのときまでは。


(つづきへ→)


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