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ハトノユメ

自作小説ブログ

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冬にねむる (4)

ふいに、ユウリが目を開けた。

「レイナ様、お休みになるのではなかったのですか。目を開けたまま眠るおつもりですか」

「ああ、ごめん。やっぱり眠れなくて」

「……困った方だ」

ユウリは言葉に反して少し笑った。

「ねえ、ユウリ、きみはこの戦いが終わったらどうするつもり?」

「どうする、とは?」

「身のふりかたってことだよ。アレイス家に戻る?」

「ぼくは、レイナ様が行かれるところに行きます」

ユウリは即答した。

「……大学は?復学するだろう?」

「さあ、どうでしょうか」

「勉強は、できる限りしておいたほうがいいよ。機会があるならなおさらだ」

「レイナ様は?以前はしきりに大学に進学したいと仰ってましたよね」

レイナはそう聞かれて視線を天井へと移した。

二人で大学へ通う姿を思い浮かべてみる。

悪くない。

「うん、私も行きたい」

「一緒に行きましょう」

「……そうだね」

もう一度ユウリのほうを見ると、その表情はさきほどよりもさらに笑顔が強まっていた。

「レイナ様」

「なに?」

「この戦いが終わったら、お話したいことがあるんです」

「今じゃだめ?」

「もっと落ち着いた状態でお話したいので」

「そう……うん、わたしも、きみに話したいことがある。この戦いが終わったら」

「わかりました」


テントの外から、ユウリを呼ぶ声がかかった。

ユウリはそれに短い応答をすると、「では、任務にもどります」と言い置いてテントを出て行った。

レイナはその姿を記憶にやきつける。


忘れてしまわないように。


(つづきへ→)

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