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ハトノユメ

自作小説ブログ

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冬にねむる (3)

「ありがとう。ねえユウリ、きみも休んだほうがいいよ」

「ぼくは大丈夫ですよ」

「嘘つけ、顔色が悪い。ちゃんと眠ってないんだろう」

「レイナ様ほどではありませんよ」

「よく言うよ。まあ、いい勝負だろうね。わかった、わたしは少し眠らせてもらうよ。きみも、目を瞑るくらいはしておいたほうがよい。それだけでも少しは疲れがとれるかもしれない」

「承知しました」

兵士たちの疲労はかなりのものだ。もうかなりの時間を山中で過ごし、帝国軍との接触が幾度もあった。

疲弊しているのは、山頂を挟んで反対側の山腹にいるであろう帝国軍も同じ。双方とも、もうそれほど長い時間はかけられない。

決戦が近いのではないか。

そう思って、レイナは目を開けると傍らのユウリを見た。

ユウリは言われたとおりに目を瞑って座っている。

人形のように端正な顔立ち。だが今はその造作の良さよりも、血の気のなさがよほど目につく。


ユウリの顔を、あとどのくらい見ていられるだろう。

レイナは与えられた秘術が予想以上に体を蝕んでいくのを自覚している。

乱用は慎むべきと戒めてはいるが、仲間の危機を目の前にするとそんなことを言ってばかりもいられない。力を使っては、反動で体の自由が利かなくなるということが多くなっている。

このまま戦いが長引けば、身を滅ぼすことがあるかもしれないと、この頃強く意識するようになっていた。

それでも戦線離脱はできない。ラスファイドが帝国に占領されてしまえば、それこそ未来など思い描けぬ時代がやってくるだろう。


(つづきへ→)

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