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ハトノユメ

自作小説ブログ

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鼎談 (5)

「よろしく」

目の前までやってきたアルバトロスとバーディにむかって、イーグルは静かに言った。

「こちらこそ、よろしく」

とアルバトロスも応じる。バーディは「よろしくぅ」と言ってさらに笑顔になる。

外で少し話したいというイーグルとともに中庭へ向かう。彼はどうやら煙草を吸いたいらしい。

廊下の途中に設置されている自動販売機で三人とも飲み物を買った。それを持って中庭のベンチに座る。

イーグルは買ってきたコーヒーの缶を傍らに置くと早速煙草に火をつけた。煙がまっすぐに立ち昇る。

ほぼ、無風。

「まさかこの三人で組むことになるとは思わなかったよ」

一服しながらイーグルがつぶやく。アルバトロスは「そうだね」とだけ言った。バーディは買ってきたソーダをがぶ飲みするのに忙しい。

三人で組むことになったことに対して、イーグルが良い印象をもっているのか悪い印象を持っているのか、先ほどのつぶやきからは判別できなかった。彼の真意がわからない以上、こちらもつっこんだ話はしづらい。自然、当たり障りのない返答になる。

イーグルは席をたって灰皿のほうへいった。ぐらぐらとくっついていた灰を落とす。そのまましばらく灰皿のかたわらで煙を吸い込んでいたが、一本吸い終えたところでベンチに戻ってきて缶コーヒーのふたを開ける。プシュっという音のあとで、イーグルは、

「楽しみだな」

と言ってきた。

「三人で飛んだらえらいことになりそうだ。敵をどのくらい堕とせるのか想像がつかないな」

そう言いながらコーヒーを飲む。

心なしか、ふだんより幾分楽しそうな表情に見えた。アルバトロスも表情が和む。

「イーグルとバーディが一緒だから心強い」

アルバトロスの言葉に、イーグルはふふっと鼻を鳴らした。ソーダを飲み干したバーディが、

「ぼくも三人で飛ぶのが楽しみだよ。わくわくする」

と言って笑った。二人があれやこれやと話を始めたのを見ながら、アルバトロスはリンゴジュースを飲む。自動販売機にはレモン水がなかった。

「まあ、問題は無事に目的地までたどりつけるかどうかだろうな。飛行機に乗ってしまえば、あとはいつもどおりの任務だ」

「そうだね。でもさイーグル、きみはだいじょうぶなの?潜入中はぼくたちふつうの子どものふりをしないといけないんだよ。心配だな」

「おれのどこが心配だっていうんだよ」

「だってきみ、子供らしくないもの」

「お前がガキっぽすぎるんだよ、バーディ」

「そんなことないさ、ねえ、アル?」

突然はなしをふられてアルバトロスは答えに詰まる。どっちの言い分も当たっているように思えた。イーグルはやや大人びており、バーディは少しばかり幼い。それは良い悪いというものではなく、それぞれの個性だ。

「二人とも年相応に見えるよ、きっと。ただし、あまりしゃべらなければ、だけど」

アルバトロスの言葉にイーグルはやや渋い顔をした。

「その言葉、そっくりそのまま返すよ、アルバトロス。お前が一番子供らしくない」

「そうかな?」

「ああ、いつも冷静すぎる」

「そうでもないよ」

他愛ないやりとりをしばし続けたあとは、三人で静かに空を見上げた。


目の前に広がる青空は、少年たちの目にいつもよりなおいっそう鮮やかに映った。


(つづきへ→)


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